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陰キャ主人公とモデルもこなす美少女の面白くもグッとくる学園ラブコメ漫画『僕の心のヤバイやつ』


amazonでkindle漫画の一部で期間限定50%ポイント還元キャンペーンを行っていたので、前知識なしでなんとなく買った漫画『僕の心のヤバイやつ』が面白すぎました。最近、チャンピオンの秋田書店、面白い作品多すぎでは!?刃牙のイメージしかなかったが、秋田書店良い目持ってますね。ああ、それにしても、仕事の昼休憩に僕ヤバをカフェで読んでニヤけてしまい無事終了しました。明日からどこのカフェ行こうかな…

『僕の心のヤバイやつ』を簡単に言うと陽キャ美少女に惹かれる陰キャ主人公の学園ラブコメです。各キャラクターの個性が良い意味で強く、ただのラブコメで終わらせてくれない独特の面白さがありますがね…

まあ学園物にもいろいろありますが、この桜井のりお著『僕の心のヤバイやつ』は独特の雰囲気を持っています。どちらかと言うとコメディ寄りのラブコメなのですが、陰キャ主人公とモデルもこなす学校一の美少女との付かず離れずの恋模様を描いた作品です。非常に甘酸っぱい!
タイトルの通り「ヤバイ」主人公の内面がいきなり現れます。端的に言えば中二病なのですが、かなり重度の中二病です。でも、笑えます。ほのぼのします。

まあ、もう、あとはヒロインの山田ですね。山田に読者もみんな恋します。これは断言できます。

あと、『僕の心のヤバイやつ』は基本1話読み切りなので読みやすいです。空き時間に、電車での移動時間にいつでもさらっと読み進められる、または読み返すことができます。

では、まずあらすじから。


僕の心のヤバイやつのあらすじ

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中学二年生の市川京太郎はシャレにならないほどの中二病を患っています。そんな市川が最近とても気になるクラスメイト、山田杏奈は雑誌のモデルをするほどのスタイルと美貌の持ち主です。

彼女に、学園カーストの高みから見下されていると勝手に感じた市川は、日々彼女を殺害したいという妄想に取り付かれています。しかし、市川は山田のことを観察し知るごとに、少しずつ彼女の本性が明らかになっていきます。それと同時並行して、市川の彼女に対する感情も変化して行きますが……。

僕の心のヤバイやつの登場人物

市川京太郎

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主人公の男の子。中学二年生の読書好きの陰キャ。いつも図書館にいる。お年頃の中二病をこじらせているがかなり重度。背丈は小柄であまり喋らないが、心の中では饒舌。歳の離れたお節介焼きのお姉ちゃんがいる。実はかなりいい奴で、ちょくちょく自分よりも他人を優先している。学園の平和は市川が保っていると言っても過言では無い。

山田杏奈

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ヒロインの女の子。市川と同じクラスでかなりの美貌とスタイルの持ち主。性格は陽気で、お菓子を食べるのが大好き。よく図書室で飲食しているところを市川に目撃されている。雑誌のモデルをしているのにいいのかそれで。ちなみに図書室は飲食厳禁。山田と市川、2人の初めての邂逅もこの図書室。見た目だけでなく、性格もかわいい。あとふつうに優しい。

『僕の心のヤバイやつ』の見所


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勘のいい読者なら大体わかるでしょうが、本作はラブコメの部類に入ります。目立たない主人公の男の子が、美人のヒロインと交流を繰り返し、時にはいい思いをするというラブコメの王道をきちんと踏襲しており、なかなか読ませる構成です。

主人公の市川があまりに内向きな性格でいわゆる「陰キャ」なのに対して、ヒロインがそれと対照的に「陽キャ」のポジションを取っており、そのコントラストがこの作品の醍醐味として挙げられます。

ヒロインの山田は体型を保たなければならない「雑誌モデル」という立ち位置にもかかわらず、作中で頻繁にお菓子を食べています。顔をケガするスポーツは禁止される事務所なのに、お菓子はいいんかい。その食べ方も中学二年生というお年頃のこともあってかとても頑是無いもので、見ているこっちがほんわかな雰囲気になるものです。こんな食べ方を見ていたら市川でなくとも惚れてしまいそうです。

また市川もはじめは山田に対し気に食わない印象を持っていたのですが、図書室で山田が隠れてお菓子をむさぼったり天然ボケの行動を起こしているのを見ているうちに、次第にそうした感情がなくなっていくのです。この市川の山田に対する感情の変化や推移も、思春期の男の子の生態をよく表現していますので必見です。

また、山田も市川の面白い雰囲気と根っこにあるやさしさに興味を持ち始め、少しずつ市川に接触する回数が増えていきます。その都度の市川の反応がほほえましくて笑えます。

あと『僕の心のヤバイやつ』では、ちょこちょこ入れられる各キャラの心理描写の妙なリアルさが、非現実的な恋を妙にリアルにさせています。美少女×陰キャの恋の非現実さを、各キャラの心理描写の絶妙なリアルさが打ち消し、漫画の世界に入り込めてしまう不思議さがあります。あとなぜかちょいちょい入れてくる下ネタの良い意味の雑さもリアルですw これは感動レベルの現実的な雑さです。そう、現実の下ネタは練られていなく非常に雑であり、だからこそ面白いのです。この下ネタ部分には2人以外のクラスメートが大きく絡んできます。男子に至っては下ネタ専用キャラもいるくらいです。神崎くん…

『僕の心のヤバイやつ』の感想(ネタバレあり)

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基本的に、主人公の市川のモノローグを主軸に物語は進んでいきますので、比較的主人公に感情移入しやすい作品だと思います。もっとも、中二病独特の病んだ思考や心理は共感しにくいのですが、それなのにそれがあまり障害となる感じはありません。これは、市川もなかなか自覚するに至らない山田への「特別な感情」が底流にあるからでしょう。

それを「恋心」だと市川が自覚するシーンが作中にありますが、思春期の男の子がそう気付くことの何ともいえない切なさや愛しさに、とても感動したものです。保健室に山田を追いかけていくシーンは非常によかったですね。ふと、自分の頭とは別に感情で動いてしまうようなそんな愛しさですね。

桜井のりおさんの作品はまだ本作『僕の心のヤバイやつ』しか読んでいないのですが、ぜひ他の作品も読んでみたいと思いました。

それにつけても、本作の面白いところはやはり「市川の目を通してみた山田の魅力」、これに尽きると思います。独特の描き方でキャラクターが描かれており、特に山田の輪郭や体のラインがちょっとクセになる可愛さです。

市川はたびたび山田の言動を観察していますので(ストーカー並の観察力だと思います)、山田が天然ボケな挙動をするたびに市川のツッコミが的確に炸裂します(もちろん市川のモノローグでの話ですが)。

またこれもネタバレになるのですが、市川の山田を想っての行動が功を奏したのか、山田の市川に対する感情にも変化が生じ始めます。個人的に、ナンパ先輩初登場の回のラストは感動しました。そうか自転車はこう使うものだったのかと新たな知見を得ることができましたw

「お、これはもしや」とニヤニヤしながら読んでいるのはきっと私だけではないはずです。でも市川もまだまだ幼いお年頃ですので、ふたりの仲はなかなか進展しません。市川鈍感すぎだろ!このじれったさもラブコメの醍醐味のひとつでしょう。

またサブキャラも多彩な性格や言動が揃っています。物語の主軸は市川と山田に変わりはありませんが、思わず応援したくなったりするキャラも1人や2人ではありません。個人的には同じクラスの妄想坊主神崎くんが気に入っています。

あと『僕の心のヤバイやつ』には原則、悪い人間が登場しないことも、素晴らしい側面だと思います。これもけっこう珍しいですね。ナンパ先輩やボール当ててしまったクラスメートなど、一見悪そうな奴も蓋を開けてみると結構よい奴だったりと。そんなところがまた市川をもやもやさせてもいたりもするのですがw

おわりに

中二病の主人公とラブコメ、というとあまり相性が良くない気がするのですが、この作品においてはそれが全然不自然ではなく、かえってこれでしか描けない「もののあわれ」をよく表現しているように思います。

また本作は、陰キャである主人公の根底の優しさが報われる物語でもあり、読んでいて面白くも温かい気持ちになります。この世の中も僕の心のヤバイやつのように、やさしい奴が報われるようになってほしいなとあらためて思わせられました。前にも書いていますが、『僕の心のヤバイやつ』には悪いキャラが出てこないのも非常に良いんですよ。みんなどこかで、誰かにやさしいんです。本当に素敵な世界観の漫画です。

真面目に書いてしまいましたが、「日常系」「ラブコメ」という枠にとどまらない本作を、ぜひ少しでも多くの方に読んでいただけるよう、1ファンとして心から願っています。結論『僕の心のヤバイやつ』は買いです。出てる全巻買いましょう。

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